塩ビシート防水機械固定・密着工法手順 要領 施工方法

塩ビシート防水は数ある防水工法の中でもメンテナンス無で長期耐久性のある防水工法です。プールにも使用され気密性の高い防水工法となっております特に塩害や鳥害に強いのも他にはない特徴です。

メリット

上記特徴以外には既存防水層を選ばずどんな下地でも構造でも適応して施工が可能です。他工法でも下地によって各種工法の用意がありますが非常に高額になることが多く、塩ビシート機械固定工法は下地によって金額が高くなることが少ないです。更に既存防水層の痛みがひどい場合でも特徴を生かして施工が可能です。

デメリット

改修工事の場合は機械固定工法を施工することがほとんどで、この工法の場合は塩ビシートを固定する為に躯体に穴を空けプラグビスで固定することになります。したがって工事中、騒音が出ます。他に工事中の突然の雨に弱く熟練の知識と技能はもちろん経験がかなり重要となってきます。

塩ビシート機械固定工法

 ケレン清掃又は水洗い→絶縁シート貼り込み

塩ビシート防水機械固定の場合は浮かせ貼りとも言い躯体とシートは接着せずにのせてあるイメージです。そのため下地の埃や水垢などはあまり影響しませんので、高圧洗浄等は重要ではありません。お客様のご要望によって高圧洗浄を行うかどうか判断します。

絶縁シートとは新規防水層の塩ビシートと既存防水層が直接触れて化学反応や不具合が起きないようにするシートです。メーカーにより厚みが違うものもありますが目的は同じです。

機械固定用IHディスク取付・塩ビ鋼板取付

IHディスクとは写真にある青く丸いものです。このディスクを塩ビシートの上から専用のヒーターで熱しシートと接着させます。

塩ビ鋼板とは塩ビ被服が施された鋼板で塩ビシートを固定するために各所入隅や端部に取り付けます。塩ビの被服と塩ビシートを溶着材や熱風機で溶かし接着させ完全に一体化する為非常に気密性の高い防水層が形成されます。

塩ビシート貼り込み

塩ビシートを貼り込む際に特に注意することは、シートのしわを気にしすぎて伸ばしすぎることです。縦方向、横方向に伸ばして貼ることで仕上がりは非常にきれいになりますが、塩ビシートは特性上温度の変化により伸縮が多きいのも特徴です。そのために揺れが大きい鉄骨造や木造でも防水層が切れることなく耐久性の高い防水材となっています。しかしながら伸ばしすぎると温度が下がった場合縮む分の余裕がなくなり耐久性が落ちてしまう事もあります。したがって多少のよれやしわは特性上あっても問題がありません。

塩ビシートの接合部は万が一接合が不足や不十分であった場合直接漏水につながってしまう事がある為熟練の技術と2重チェックなどの対策でより完璧に接合させています。

ジョイント部シーラー充填

上記にも記した通り接合部は非常に重要なため2重チェックの後更に専用のシーラーを充填し完全な接合部にします。

こういった工程をすることでプールなどかなり水圧がかかる場合でも施工が可能となります。

完全で高気密な防水性を持つことができる分注意することも多いのが塩ビシート防水の特徴で、非常に専門性の高い防水工法となっております。出来れば国家資格でもある防水技能士の1級を所持している工事店に依頼することが望ましいです。

もちろん弊社でも所持しており、安心してお任せ下さい。

IHディスク溶融着

先に施工した塩ビシートの下にあるIHディスク(メーカーにより色や形は異なります)をシート貼り込み後に上から専用ヒーターで熱します。熱することでディスクが熱を持ちシートを溶かしてシートと接着されます。機械固定工法ではシートを接着させない為、IHディスクで剥がれたり風であおられたりしないようにしています。

他にも接着工法がありますが近年では、せっかく貼ったシートに穴を空けないで済むこの工法が一般的で安全です。

注意事項として、非常に電圧が必要な機械で他の機器と同時使用したり、電源が施工箇所と離れコードが長くなってしまったりする場合にブレーカーが落ちてしまう事があります。ブレーカーの位置を確認してから施工することを進めします。

特にマンションなど共用部の電源を使う際には同じ系統にブレーカーが落ちてしまうと困る機器が接続されていないか注意してください。

笠木鋼板

塩ビシート機械固定工法では立上り部分を接着剤で貼る場合と塩ビ鋼板で貼る場合があります。既存の下地やアルミ笠木の有無などによって選択しますが、立上りの天端まで防水層が施工されることでより完璧な防水層が形成されます。写真の場合は塩ビ鋼板で貼る機械固定工法で鋼板の後に塩ビシートを貼り込むため取付ビスなどからの漏水の心配がなくなります。

塩ビシート接着工法

写真は戸建てのバルコニーの歩行用の仕様です。

バルコニーなどは歩行する場合が多い為塩ビシートでは各メーカーほとんどの場合で接着工法が推奨されています。接着工法で施工されていれば万が一使用時に穴を空けてしまった場合でもその穴の部分だけの漏水や被害で済むため補修も容易になります。そのためバルコニーなどではシートも屋上などよりも厚みのあるシートになり接着工法で施工されます。ハウスメーカーなどでは独自の工法があり、必ずしも以上のような工法にしてるとは限りません。

他にも新築時は既存に防水層が無い為モルタルに直接ボンドで貼ることができるため接着工法を用いることが多いです。機械固定よりも安価に施工ができるのも特徴ですが改修工事の場合は既存に防水層が存在する為、全面撤去又は下地をボンドが接着する素材で作成する必要があります。(木材やケイカル板、板金など)